住まいのご感想(house k編その②)
住み心地もまた、家っぽくありません。ふつうの家なら部屋が壁で仕切られて扉と廊下でつながっている、というイメージですが、この家では壁にスペースがあって天井でもつながっています(トイレとお風呂はかろうじて例外です)。つまり音はほとんど筒抜け。ウチにいるのに外にいるような、開放的で不思議な空間です。好き嫌いはあると思いますが、私は気に入っています。
この家は、母が中心となって高木さんと打ち合わせを繰り返し、できあがったものですが、彼女自身は完成を見ることがありませんでした。私は一年半ほど住んでから就職で札幌を離れたので、今は年に数回帰るのみです。家っぽくないと感じるのはそのせいもあるでしょう。
家族とくつろぐのも良し、友人たちを呼んで呑み会をするのも良し。私にとってこの家は、住宅としての「家」というより、みんなが集まって楽しく過ごす「場所」です。だからこそおもしろく、飽きずに長く使っていける気がします。おそらく母も、そういう家になることを望んで、house Kを私たちに遺していったのではないかと思います。