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香水

2008年8月25日

イギリス留学時代のこと。
友人が嗅覚によって建築をジェネレイトできないか考えていた。

どんな試みであったかを要約してみると
「人間の感覚器官で一番強い器官は視覚である。
通常僕らは視覚に頼って物を認識したり作ったりするが、
視覚から嗅覚にもっと感覚をスライドさせて物を認識したり作ることができないか。
そのような感覚のシフトが、新しい建築を創造させるのではないか。」

友人は四六時中嗅覚について考えていた。
なんでもかんでも匂いをかいでいた。

そしてあの時
「パフューム」
という小説に影響を受けていた。
私はその小説の日本語訳を探したのだが、当時探すことができなかった。

あれから6~7年たったが、先日その小説を店頭で発見した。
「香水」パトリック ジュースキント
最近映画化された「パフューム」 の原作です。

学生時代を思い出し、即購入。
その小説「香水」は想像以上によかった。
本来匂いの無いはずの文章から、芳しい香りやすさまじい臭気がむんむんと湧き出してくる。
実際に本から匂いが湧き出してくるように感じるのだ。
その臭気や香りは、僕自身の香りの記憶を想起させ、
僕の記憶と思い出が小説の物語と交差し、そしてすれ違うような不思議な感覚がおこった。

友人が建築を作るうえで影響を受けたのもうなづける。
こんな感覚にさせる建築がつくれたら面白いだろうなと想像してしまう。

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