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敷地は都市機能が密集する秋田市中心部に位置し、周辺を駐車場に囲まれる特異な環境にありました。プライバシー確保のために建物は<閉じる>ことを必然的に志向します。これは北国の室内環境を寒さから守るためにも有益です。

しかし十分に閉じるということは閉鎖的な生活空間にもなりかねないので、閉じながらも多様な生活を縛り付けない開放的な空間創りを考えました。まずは水まわり、寝室、納戸など他室から閉じる必要のあるものをピックアップし、ボックス状の形を与えました。それらボックスの集積によって出来上がるヒダは大小様々な「隙間の空間」を作り出します。その入り組んだ「隙間の空間」は奥行きを作り出し、視覚の途切れた向こう側にも空間が続いていくような錯覚を生み出します。LDKやワークスペースなど他室から閉じる必要の無い部屋は「隙間の空間」に配置され、そこは機能がやわらかく分節されたワンルーム空間となりました。

「閉じる必要のある室=ボックス」「閉じる必要の無い室=ボックスの隙間」ということを糸口とした単純なルールによりこの住宅は構成されていますが、それにより生じた空間は視覚的な広がりを持った複雑な表情を持ちます。「隙間の空間」の空間の性質は、ピクニックに行って「どこで食事をとろうか」「どこで一休みしようか」と考えて選ぶような「居場所」の感覚に近いです。そのように居場所の選択肢が増える事は広がりや開放感をあたえる一つの要因となりますし、生活に自由な想像で彩を与えてくれる大きな要素となります。

建設地秋田県秋田市
用途専用住宅
構造木造2階建
敷地面積496.99 m2
建築面積68.89 m2
延床面積100.24 m2
総工費2000万円台
構造計画長谷川大輔構造計画
写真矢野紀行、西川公朗