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鶴ヶ島の東屋

関東のありふれた密集造成宅地で、接道わずか2mの旗竿敷地に建つ築33年を経た木造住宅の改修である。改修着工前、南側には小さな明るい庭があった。庭に面した隣地には畑があり広々とした空が望めたが、宅地造成されることが計画されていた。ゆえにいずれ四周を住宅に囲まれ、決して良い環境ではない庭に変貌することが想像できた。

このプロジェクトは改築と増築の組み合わせからなる。既存の住宅プランは各部屋を小さく区切るnLDKプランだった。その閉塞感を持ったプランをオープンに変えることにした。リビングやダイニングなどの共有性の高い室に吹き抜けで縦におおらかな広がりを持たせ、ワークスペースやロフトをそこに開いた。

そして庭に小さな東屋を増築することにした。改修された古い母屋のリビングと増築された簡素な東屋は寄り添うように、空間的・視覚的に連続させた。近隣の住宅にタイトに囲われた庭で、透過性のある素材で作られた東屋の屋根はわずかな光をキャッチし拡散する。また真夏の強烈な太陽光を照明のシェイドのようにやわらげ、程よい明るさをもたらす。そして近隣からのウインドウトリートメントの役割も果たす。リビングの窓を開け放って、東屋と空間を連続させると、リビングの機能も拡張する。リビングの一部と化した東屋で本を読んだり、ご飯を食べたり、飼い犬と遊んだりできる。そして、東屋は喫煙部屋としても毎日頻繁に滞在するくつろぎの空間である。
小さな東屋は庭を変え、家全体に影響する大きな存在となった。

建設地埼玉県鶴ヶ島市
用途専用住宅
構造木造二階建
建築面積57.50 m2
延床面積97.24 m2
構造計画長谷川大輔構造計画
竣工2016年11月
写真大瀬戸雄大